クッションフロアは塩化ビニール樹脂が主成分で、表面にはデザインやパターンが印刷されたシート状のフローリング材料です。
その名前の通り、クッションフロアにはクッション性があり、硬い床材と比べて歩きやすく足音を軽減する効果もあります。
クッションフロアには、さまざまなデザインや色合いがあり、自分の好きなスタイルに合わせて選ぶことができます。
木目調、タイル調、無地など幅広いバリエーションがありますので、部屋のイメージに合わせて選ぶことができます。
クッションフロアは施工が簡単で、一部が傷んでしまった場合でも部分的に交換することが可能です。
また、表面が滑りにくい加工が施されているものや、防炎性・抗菌性に優れたものもあります。
掃除は掃除機で砂やほこりを取り除き、拭き掃除をするだけでよいので手間がかからずに清潔に保つことができます。
さらに、クッションフロアは水に強いため、キッチンや洗面所、浴室のドア前など水がかかる可能性のある場所にも適しています。
ただし、クッションフロアの耐久性には限りがあり、長時間の直射日光や重い家具の圧力に弱い点、刃物などによる傷が付きやすい点は注意が必要です。
クッションフロアはそのデザイン性と機能性から、多くの家庭で利用されている人気の床材です。
ここでは、クッションフロアのメリットやデメリット、お手入れ方法など詳しく解説していきます。
クッションフロアとは?クッションフロアのメリットとデメリット
クッションフロアは、その手軽さと多彩なデザインから多くの家庭で使用されていますが、クッションフロアにはメリットとデメリットがあります。
ここでは、クッションフロアとフローリングとの違いや、メリット・デメリットを解説します。
クッションフロアは建築業界では 「CF」と呼ばれており、 塩化ビニール素材のフロア材のことです。
クッションフロアの厚さは商品によって差がありますが、厚みは大体1.8mm~3.5mmほどです。
クッションフロアは塩化ビニール製ですので、耐水性・撥水性が高いことからキッチン周りやバスルームの脱衣所などに広く使われています。
クッションフロアのメリットとデメリット
クッションフロアのメリット
- デザインの豊富さ:木目調やタイル調、無地など、さまざまなデザインや色合いがあり、自分の好みや部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
- 施工の容易さ:クッションフロアは自分で簡単に設置でき、部分的な交換も可能なため、手間がかかりません。
- 掃除の容易さ:日々の清掃は掃除機と拭き掃除で十分。また、水に強いため、キッチンや洗面所など水がかかる可能性のある場所でも使用できます。
- クッション性:柔らかい素材を使用しているため、硬い床材と比べて歩きやすく、足音を軽減します。特に子どもやお年寄りがいる家庭では安全性が高まります。
クッションフロアのデメリット
- 耐久性:クッションフロアは他の床材に比べて耐久性が低く、特に直射日光や重い家具の圧力に弱いです。また、刃物などによる傷が付きやすいです。
- 長期的なコスト:初期投資は安価ですが、寿命が短いため長期的に見ると交換費用がかさむ可能性があります。
- 環境負荷:塩化ビニールを主成分とする製品は、製造過程や廃棄時に環境への負荷が高いと指摘されています。
これらのメリットとデメリットを考慮に入れて、自分のライフスタイルや予算、部屋の状況に合わせて選ぶことが重要です。
クッションフロアの黒ずみやシミの原因はなに?
クッションフロアの黒ずみには様々な原因があり、その中でも静電気によって油煙や煤煙、ホコリなどが引き寄せられ、その汚れが蓄積することで黒ずみとして現れることが多いです。
なぜなら、クッションフロアの素材が静電気を帯びやすい性質を持っているためです。
クッションフロアは表面が比較的滑らかであるため、汚れが床にこびりつくこともあります。
特にキッチンなどの油分が多く飛び散る場所や、靴を履いて歩く場所では汚れが蓄積しやすいです。
これらの黒ずみは、日頃の掃除で早めに取り除くことが最も効果的な解決策なので、普段から掃除機をかけたり拭き掃除を行うことで汚れが蓄積するのを防ぐことができます。
もし汚れがこびりついてしまった場合は専用のクリーナーを使用すると効果的ですが、強い洗剤はクッションフロアを傷つける可能性があるので使用する際は注意が必要です。
汚れの蓄積以外のクッションフロアの黒ずみやシミは、下記の原因よって生じることがあります。
- 太陽光の影響:クッションフロアは直射日光により色褪せたり黒ずんだりすることがあります。特に窓からの光が直接当たる場所は注意が必要です。
- 日常生活の摩耗:日々の生活での歩行や家具の移動などによる摩耗が原因で黒ずみやシミが生じることがあります。
クッションフロアの黒ずみやシミを予防するためには「日々の掃除を怠らない」「直射日光が当たる場所はカーテンなどで遮光する」「家具を動かす際はクッションフロアに傷がつかないように注意する」などの対策が有効です。
クッションフロアの掃除方法
クッションフロアに、黒ずみやシミがついてしまった場合の掃除方法をチェックしましょう。
メラミンスポンジ | 100均などで購入可能 |
---|---|
中性洗剤 | 自宅にある食器用の洗剤などでOK |
ペーパーモップ | 髪の毛やほこりを取るタイプのもの |
不要な布切れ | 使い古しの衣類やタオルなどでOK |
歯ブラシ | 使い古しでOK |
重曹 | 家になければこれも100均で購入可能 |
掃除機かほうき | ペーパーモップがなければ掃除機かほうき、ちりとりがあればOK |
ビニール手袋 | 手荒れしやすい方はあるといいかも |
まずは大まかなお掃除から
ホコリやごみがあると黒ずみを取り除くのに邪魔になってしまいますので、まずは髪の毛やほこりなどをペーパーモップを使って取り除いていきます。
ペーパーモップを使わずに掃除機やホウキとチリトリで取り除いでもかまいませんので、家にあるもので自身がやりやすい方法でまず大きなごみを取り除きましょう。
洗剤を使わず水拭きする
大まかなゴミがなくなったら、次は水拭きします。水拭きには布切れや使い古しの布やタオルを使います。
布切れや使い古しの布やタオルを水で濯いで硬く絞ってから、黒ずみが気になるところを中心に全体を水拭きしましょう。
黒ずみ部分をメラミンスポンジでこする
水拭きが終わったら、次はメラミンスポンジを使って黒ずみが気になるところをこすっていきます。
メラミンスポンジは、食器を洗う際に洗剤をつけなくても汚れが落ちるので重宝されています。
メラニンスポンジは、クッションフロアの表面についた黒ずみ汚れ落としに持ってこいのグッズといえますので、円をかくような感じでこすっていきましょう。
スポンジでも落ちない場合は重曹を使いましょう
メラミンスポンジでこすっても、落ちない頑固な黒ずみ汚れもあるかもしれません。
そのような汚れに効果的なのは重曹です。重曹を水で薄めたものを吹きかけて、メラミンスポンジでこすってみましょう。
これで黒ずみやシミが取れたら、あとは水で湿らせて硬く絞った布で成分が残らないようにふき取った後に乾拭きすればOKです。
重曹はアルカリ性ですので、酸性の黒ずみ汚れや皮脂汚れを中和して落とすことができる上に、粉状の状態の場合は研磨剤としての役割も果たします。
ただし、クッションフロアによっては重曹で強くこすりすぎると、傷が付くこともありますので様子を見ながら強さを加減してください。
範囲が小さい黒ずみは歯ブラシが効果的
黒ずみ汚れがそれほど広範囲ではないという場合は、歯ブラシを使ってこするのもおすすめです。
水を含ませた歯ブラシに重曹か、歯磨き粉を少しつけてこすってみましょう。
重曹も歯磨き粉も研磨剤として使えますので、範囲が小さい黒ずみの場合はこれで取れることが多いです。
クッションフロアの黒ずみやシミが汚れが取れたら、あとは水を含ませて固く絞った布で拭き取ればOKです。
黒ずみを残さない!クッションフロアの普段のお手入れ方法
「クッションフロア」はもともと水はじきがよく、汚れが付きにくいフロア材です。
ですがそれをいいことについつい、普段のお手入れをおろそかにしてしまうケースも多いもの。
黒ずみやシミを付けてしまってから落とすのは、意外に面倒なものですので、普段のお手入れをこまめにしておくのがおすすめです。
具体的には以下のようなお手入れをしておくようにしましょう。
ホコリを掃除機やペーパーモップで取り除く
基本的にはホコリをこまめに取り除くことが第一。
掃除機やペーパーモップ、あるいはほうきとちりとりを使ってホコリを溜めないようにしましょう。
水を含ませかたく絞った雑巾で「水拭き」する
大きなごみやほこりをキレイに取り除いたら、その後は水拭きです。
床をふく用の雑巾や不要になった布切れなどを用意しておき、ホコリを取り除いたらすぐ水拭き。
目で見てわかる汚れがない場合は、この2ステップだけで普段のお手入れはOKです。
薬品的なものが付着したら「すぐふき取ること」!
クッションフロアでちょっと厄介なのは、薬品的なものを落としてしまった場合です。
例えば、マニキュアだとか、毛染め剤、油性マジックなどがついてしまった場合、時間が経つと取れにくくなります。
クッションフロア張替えの流れ
1:家具を移動し、掃除機をかけ埃を取り除く。
2:施工する部屋にクッションフロアを設置し、必要な大きさにカットする。(後で、きっちりカットするので余裕をもたせておく)
3:仮置きしたクッションフロアを半分めくり、めくり上げたところに接着剤を塗る。
一箇所に固まらないように要注意して、専用のハケで均一に塗りひろげて接着剤が半透明になるまで待ちます。
4:クッションフロアを床面に張っていきます。しっかり接着するように道具を使って空気を抜きます。これを繰り返します。
5:1枚目と2枚目のつなぎ部分を柄や目に合わせてカットし圧着します。
クッションフロアは「ゴム汚染」に注意!
みなさんはゴム汚染という言葉を聞いたことありますか?実はクッションフロアは、このゴム汚染が広がりやすいフロア材なんだそうです。
ゴム汚染とは、家具など部屋に置くモノの底部分に滑り止めのためのゴムがついていた場合に、長い間置いていたことでフロア材そのものが変化し変色してしまう現象。
もし気づかずにゴム汚染を起こしてしまうと、そのクッションフロアの部分を削ってしまうか、全面的に張替えをしないと修繕できません。
さらに、ゴム汚染に気を付けて場所を変えていても、だんだんと設置してたところが変化してしまうこともあるそうです。
「ゴム汚染対策」はシリコンゴムシートなどで!
家具の底にゴムが滑り止めでついている場合は、透明のシリコンゴムシートを「クッションフロア」と家具の間にかますなどして対応しましょう。
もちろん滑り止めの性能があるなら、木材などを間に挟むのもOKです。
基本的に、その家具のゴム素材の部分が普段からクッションフロアに触れないようにしておけば、ゴム汚染は防げます。
クッションフロアにフロアコーティングをおススメしない理由
お手入れが楽になるし見た目も光沢が出て綺麗になることから、フロアコーティングが普及しています。
クッションフロアもお手入れのことを考えたら、コーティングすればいいのでは?と考えるかたもいるかもしれません。
でも、クッションフロアにはフロアコーティングは、正直おススメしません。その理由は、以下の通りです。
- クッションフロアそのものがもともとリーズナブルなフロア材である
- 普段のお手入れはコーティングした場合とさほど変わらない
- コーティングの費用とフロアの張替え費用を見比べると、張り替えたほうが早い
クッションフロアは、もともと施工もリーズナブルですし、フローリングよりもやや耐久性は低いので張替えサイクルが早いです。
普段のお手入れをまめにして、クッションフロアを長持ちさせる方が賢明です。
【まとめ】クッションフロアのお手入れはこまめに!
クッションフロアの特徴、メリットやデメリット、お手入れ方法をチェックしました。
シミや黒ずみ汚れになる前に普段からこまめにお掃除、水拭きをするクッションフロアを綺麗なまま長持ちさせることができます。
ただし、クッションフロアをそろそろ張り替えたい場合、リフォーム時にフローリングに張り替えするケースもあります。
この場合は、フローリングに張り替えた段階でフロアコーティングしてしまうのがおすすめです。
クッションフロアへのリフォームならコーティング不要ですが、フローリングなら新品の段階でコーティングしておくと毎日のお手入れがグッと楽になり美しさを長くキープできます。
クッションフロアの掃除・お手入れ方法
- 【掃除機・掃きそうじ】→ホコリやごみを取り除く。
- 【ペーパーモップ】→日々の手入れはこれで十分。
- 【水拭き】→黒ずみ汚れなど、気にるところを中心に全体的に拭く。
- 【メラミンスポンジ】→しつこい黒ずみはスポンジを使って円を描くようにこする。
- 【歯ブラシ】→細かいところは、重曹をつけ歯ブラシでこする。
- 【油汚れ】→水拭き雑巾に中性洗剤をつけてこする。
それぞれの価格や特徴を紹介しています。