様々なフローリングの種類


フローリングと言っても今は、木材や塗装の仕方も様々ですよね。
自然素材で風合いを活かした「無垢のフローリング」は、調湿効果があり足に馴染み心地よいですが、メンテナンスがかかり意外にコストも高いのが悩みどころです。
また「複合フローリング」は、木のニュアンスを感じにくいですが、デザイン性のある塗装ができ種類が豊富で、表面が強く傷や凹みに強いのです。
それぞれのメリット・デメリットと多様なフローリングを詳しく紹介します。
サッと分かる目次
フローリングには大きく分けると2つのタイプがある
多様になってきているフローリングですが、大まかに分けると2つのタイプがあります。まずはそこから見ていきましょう。
1.無垢のフローリング
ナチュラルな風合いのフローリングがいい、というユーザーに人気なのが「無垢のフローリング」です。
単層フローリングとも呼ばれていますが、これはJASの規格で定義された、無垢材あるいは集成材を原材料としたフローリングのこと。
使われる木の種類や一枚モノか、集成材かなどによってもずいぶんニュアンスに違いが出ます。
木が呼吸するようなニュアンスを求めるユーザーが素材から選んで、こだわって家を建てることも今では珍しくなくなってきました。
2.複合フローリング
「複合フローリング」とは建売やマンションなどで多く使われている一般的なフローリングのことです。
集成材や合板の上に天然の木や特殊なシートなどをある程度の厚みで貼ったもの。
その厚みはフローリングによって異なりますがだいたい0.5㎜~3㎜ほどです。
扱いやすく反りなども起こりにくいことから30年ほど前から床材の主流になったのがこの「複合フローリング」。
無垢材のようなニュアンスを出したい場合は、表面に集めの天然木を貼ったものを使います。
複合フローリングはもちろん無垢のフローリングも施工が可能なフロアコーティングはありますが、
無垢のフローリングは一般的な塗膜を作るフロアコーティングをしてしまうと素材の特色を消すことになるため、
フロアコーティングを検討する場合はどの商品を選ぶかしっかり考える必要があります。
フローリングのタイプ別のメリット、デメリット
次は「無垢のフローリング」と「複合フローリング」それぞれのメリットやデメリットを見ていきましょう。
無垢のフローリングのメリット、デメリット
【無垢フローリングを施工するメリット】
- フローリングそのものが呼吸するようなニュアンス
- 木そのままの香りでリラックス効果もある
- 調湿効果も期待できる
- あたりが柔らかいので足にも優しく暮らしやすい
- キズがついても表面を削ってメンテナンスすることもできる
- 時間を経ることで独特の変化が起き、味わいのある床になる
【無垢フローリングを施工するデメリット】
- 自然なままの分、水分を吸収する性質もあり、反りや収縮が起き、汚れがしみ込むことがある
- 軟らかい分衝撃には弱く、キズやへこみができやすい
- 自然なままなので色合いにばらつきが出やすく統一感は出しづらい
- 定期的なワックスなどメンテナンスが必要
- 施工が複合フローリングより難しく手間がかかるため、コストが高め
複合フローリングのメリット、デメリット
【複合フローリングを施工するメリット】
- 安定しているので扱いやすく反りや収縮が起こらない
- 加工のしかたで表面が強くキズやへこみにも強いものもある
- デザインや塗装でさまざまなカラーやニュアンスを表現でき、オリジナリティのある床にできる
- 抗アレルゲンや防音対策、滑り止めなどの加工をしたタイプなど多彩なフロア材がある
【複合フローリングを施工するデメリット】
- 木ならではなニュアンスが感じにくい
- 貼り合わせる際に化学物質が使われていることが懸念される
- 時間が経つとただ傷んだ、劣化したといった印象が強くなりがち
- あたりが硬いので無機質なニュアンスに感じる、温かみを感じない
無垢のフローリングと複合フローリングは相反する特徴をもっています。メリットやデメリットもお互いに反対のものがあるということなのですね。ナチュラルな風合いを大事にしたいという場合はフローリングを保護するフロアコーティングをせず、こまめにメンテナンスして手をかけてあげたほうがいいかもしれません。
フローリングの木の種類と特徴
無垢のフローリングも複合フローリングもさまざまな木を原料に作られていますが、こちらも大きく分けると2つのタイプがあります。
広葉樹のフローリング
比較的硬めであることからフローリングとして使っても反りや収縮が起きにくいのが「広葉樹」です。
「広葉樹」はおもに複合フローリングの表面に使われることが多いそう。硬いのでキズも比較的付きにくく扱いやすいものです。
針葉樹のフローリング
いっぽう広葉樹に比べると軟らかいのが「針葉樹」で、軟らかい分自然な風合いや温かみが感じられることから無垢のフローリングに使われることが多いよう。
軟らかい分キズはつきやすいものの、削るなどメンテナンスもやりやすくよりナチュラルなフローリングなので自然派のユーザーに人気です。
フローリングに使われるおもな広葉樹の木材の紹介
ローズウッド
フローリングに採用される広葉樹の中で最も硬めと言われているのが「ローズウッド」です。狂いが少な目で硬いのが特徴のため、楽器の原料としても使われています。
色合いは上品で深みを感じるブラウンですが、施工当初はややダークな印象で、使い込んでいるうちにだんだんと色合いが明るく変化します。
ウォールナット
クルミ科の広葉樹で欧米では家具や内装の部材として人気が高い木。落ち着きのある深いブラウンの色味が人気で、上品でしっとりしたニュアンスのフローリングをお好みのユーザーに支持されています。
チーク
重厚感を感じられる風合いの「チーク」は東南アジアが減算の木。
耐水性や耐久性が高いことから昔から船の甲板などにも使われている硬めの木のため、フローリングには適しています。害虫などにも強いのも特徴です。
オーク
ナラとも呼ばれる「オーク」は、品質とコストのバランスがいいこともあり人気の木。
木目がしっかりしているところが特徴で、ナチュラルな木ならではの良さを感じたいユーザーに支持されています。
メープル
硬めの広葉樹のなかでもより硬く丈夫なところが特徴なのが「メープル」。色合いはより白に近い明るい色味が特徴。木目や節は目立ちすぎない出方で、シンプルなニュアンスをお好みのユーザーに支持されています。また摩擦にも強いのが特徴です。
ブラックチェリー
なめらかできめが細かい手触りが特徴なのが「ブラックチェリー」です。フローリングとして使うと施工当初は明るめな琥珀色なのですが、時間が経つとだんだんと色が深くなっていきます。
タモ
オークに近いナチュラルな色味ながら木目が際立っているのが特徴の「タモ」。
塗装を施しても木目が際立ちます。広葉樹のおもな種類をチェックしましたが、それぞれさまざまな特色がありますね。フローリングとして使った場合どのような変化があるか、お手入れが必要かも考えて選ぶ必要がありそう。
お手入れを簡単にするにはフロアコーティングするのも一つですが、コーティングした場合の変化についても見極めて考えるのがおすすめです。
フローリングに使われるおもな針葉樹の木材
パイン
いわゆる松の木がこの「パイン」です。とても軟らかく加工しやすいのが大きな特徴で、温かみを感じる優しい肌触り。色合いも白に近い明るい色で木目は赤みを帯びたような色合いですので、見た目も優しいニュアンスです。
ヒノキ
日本でも「ヒノキ風呂」というものがあるようにお風呂にも使える「耐水性」が特徴なのが「ヒノキ」。
適度に油分を含んでいるため、耐水性が比較的高いということですね。フローリング用の木材のなかでは比較的コストもリーズナブルな部類です。
針葉樹は軟らかくナチュラルな風合いですので、その特徴を生かしたフローリングにするにはどうすればいいか考えておくべきです。
塗膜を作ってしまうフロアコーティングを施工するとお手入れは楽になりますが、木の呼吸を妨げることにもなります。そういったことも知ったうえでフローリング材は選ぶことが大事ですね。
ハウスメーカーは無垢のフローリングを勧めない!理由は?
無垢フローリングはナチュラルな風合いで人気があります。
これから家を建てる、というかたのなかにはフローリングは無垢素材で!と考えているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
でも意外にもハウスメーカーでは無垢のフローリングはあまり勧めてはこないそう。その理由は以下のとおりです。
- 複合フローリングに比べて施工が難しく手間もかかる。
- メーカーの担当者が無垢フローリングの知識が乏しく、把握しきれていないことが多い。
- 複合フローリングよりコストが高いのでトータルコストとのバランスで考えると勧めにくい。
予算を気にせず無垢のフローリングを選ぶならそこまで問題ではないかもしれませんが、建てる家の予算が決まっていると、フローリングに多くコストがかかると他を削ることになってしまいます。
上記のような理由や複合フローリングが進化して多機能なフロア材が増えていることもあり、敢えて強くは勧めてこないことが多いようです。
【まとめ】材質の特徴をよく理解して選びましょう
フローリングといってもさまざまな木材からできていることが分かりましたね。
またそれぞれの大別されたタイプのなかでも機能性や特色の違ったものがあり、さらに今後も進化していくはずです。
自分で家を建てるというかたは、
木材やタイプによる特徴、メリットやデメリットもしっかり理解したうえで、選ぶのがおすすめです。
●無垢のフローリング 無垢材または集成材を原料としたフローリング
- 【雰囲気】
→ナチュラルで温もりのある風合い。長年使うといい味がでてくる。 - 【通気性】
→調湿効果がある。 - 【肌触り】
→足に優しく暮らしやすい。 - 【業者】
→施工が難しい。 - 【メンテナンス】
→手間がかかる。 - 【費用】
→コストが高い。
●複合フローリング 集成材や合板の上に天然木や特殊シートなどがある程度の厚みを貼ったもの
- 【材質】
→安定しているので扱いやすく、反りや収縮が起こらない。 - 【強度】
→加工の仕方で表面が強く傷や凹みに強い。 - 【デザイン】
→デザインや塗装で様々なカラーやニュアンスを表現できる。 - 【種類】
→防音対策や滑り止め加工したフロア材を選べる。 - 【ニュアンス】
→ナチュラルな木のニュアンスは感じにくい。 - 【安全性】
→貼り合わせの際に化学物質が使われる。 - 【耐久性】
→時間がたつと劣化が目立つ。
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